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為替介入とは?過去のチャートも用い、シンプルに解説する。



為替介入ってよくきくけど、なんのこと? また複雑なんだろうな…
過去の例を見て、実際の取引に与える影響も知りたい。



本記事はこうした疑問にお答えします。分かりやすくシンプルな解説を心がけますので、心配はいりません。

為替介入とは?

概要


為替介入とは、通貨当局(政府や中央銀行)が自国通貨を安定させるために、自ら売買を行うことをいいます。通貨高または通貨安の行き過ぎを抑えるため、ということです。


本記事を読まれている方は、最近のコロナウイルスショックの影響で、Twitterなんかでこのワードを目にするようになり、ここにたどり着いたかもしれません。
しかし、直近に行われた為替介入は、2011年、東日本大震災後に円高が過熱した際に行われた「円売り」介入です。つまり、ここ10年近く公的な為替介入は行われていないことになります。

種類


さきほど、「公的な為替介入は行われていない」と書きました。
通貨当局が発表していなくても、実質的に為替介入と同様の効果をもたらす行為を介入の一種と考えることもあります。

口先介入


通貨当局の人物が、為替レートに対する意見を言うことで、相場を意図する方向に動かそうとすることを言います。トランプ大統領なんかはドル高を嫌気するような発言を頻繁にしますよね。これも一種の口先介入といえるでしょう。


また、最近のコロナショックで「レートチェック」ということばを目にした方もいらっしゃるかもしれません。


こちらは、為替相場が過熱しているとき、日銀の担当者が各銀行のディーラーに「対ドルでの円レート」を尋ねることを言います。為替介入の一歩手前に市場への警告として行われるとも言われており、「口先介入」ともいえるでしょう。

協調介入


こちらは複数ヵ国が合意のもと、一斉に介入することをいいます。あまりにも市場が過熱状態にあるときは、一国が行うよりも断然効果は高いと考えられています。

委託介入


他国の通貨当局に介入を頼むことです。

覆面介入


こちらは通貨当局が、公表せずに介入を行うことをいいます。

「円買い介入」と「円売り介入」


円を例に、「買い介入」と「売り介入」を整理してみましょう。

円買い介入


これは、円安が進みすぎた際に、円を買う介入のことを言います。円を買う=他国通貨を売るですから、売るための他国通貨「外貨準備」が必要になります。

円売り介入


こちらは逆に、円高が進みすぎた際に、円を売る介入のことを言います。


円を売る=他国通貨を買う の場合、理論上は、売るための円がある限り介入を続けられることになります。つまり、日銀が円を発行しまくれば、いくらでも介入を続けられる、ということになります。


とはいえ、ふつうそんなことしないでしょ…と思われるかもしれませんが、自国通貨高を抑えるために、無限の介入を行った国があります。「スイス」です。かの有名な「スイスフランショック」はこれに端を発しているんです。

過去の為替介入をチャートで見てみよう


2010年以降日本で行われた為替介入を、日足、一時間足と共に見てみましょう。


2012年以降今日まで介入は行われていませんので、2010年と2011のチャートになります。チャートの時間軸は世界協定時間での表示になりますので、+9時間していただくと、東京時間になります。

2010年9月15日(円売り、ドル・ユーロ買い)


円高が84円まで進行したところに、2兆1249億円の資金が投じられました。

2011年3月18日(円売り、ドル買い)


震災後に円買いが進行したところに、2兆円規模の資金が投じられたといわれています。日本からの要請によって、G7(日銀、FED、ECB<フランス・イタリア・ドイツ>BOE)による協調介入が行われました。


3月は日系企業の決算が集中する時期です。円高が進行すると(外貨安が進行するため)、日系企業が外貨建てで持っていた金融資産を投げ売りし、世界的な株安に波及しかねません。そうした考えからも、各国が快く、介入の要請を受け入れたともいわれています。

2011年8月5日(円売り、ドル買い)


投機的な円買い市場に、4兆5000億円以上もの資金が投じられたといわれています。


8月5日には、スタンダードプアーズ社が米国債の格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたことで、債券価格上昇(=利回り下落)=リスクオフ=世界的な株安が起こりました。と同時に起こった投機的な円買いへの対応とみられます。

2011年10月31 (円売り、ドル買い)


震災以降、円高傾向にありましたが、10月31日には、75円32銭という戦後最高値を更新していました。その対応として、8兆円を超える資金が投じられました。

2011年11月1日~11月4日 (円売り、ドル買い )


こちらでは、1兆円以上の資金が投じられていますが、2012年2月に「覆面介入」であったことが公表されています。


4時間足でも、いまいち介入の場面が分かりにくいですね…


(日足は10月31日の介入をご覧ください)



今回の内容はそれほど複雑ではなかったのではないかと思います。過去の出来事をきちんと頭に入れ、いつ何が起こっても対応できるように、普段から備えておきましょうね!